コンテックは、多種多様なセンサ・フィールド機器に対応した計測制御用の拡張ボードを提供し続け、30年以上にわたりPCベースの電子計測・FA制御の市場をリードしてきた。また、太陽光発電やインフラ設備の分野で2万サイトを越える遠隔監視システムを納入してきた。
こうした開発技術と納入実績からM2M/IoT市場向けに、「簡単」「便利」「使いやすい」を追及した「CONPROSYSⓇ(コンプロシス)」を2015年に発売した。その後、様々なユーザーのニーズや要望に対応するために機能の追加や見直しを行い、より幅広い市場向けにネットワーク機能や標準化したIoT機能のファームウェア開発を進めてきた。


CONPROSYS IoTゲートウェイシリーズの特長
・標準化された IoT の仕組みがノーコード・ローコードで動作
・実用量産システムを想定した耐環境・産業機器
・新たにルータ機能、ビル設備 BACnet 通信機能を搭載
・購入後もファームウェア更新で新機能が使用可能

用途で選べる CONPROSYS IoTゲートウェイシリーズ

IoT(Internet of Things)市場は、導入期 (イノベータ~アーリーアダプタ) から普及期 (マジョリティ) に移行しており、 ほとんどの企業がDX(Digital transformation)化の促進を掲げる中、業種業界を問わずIoTの考え方が着実に浸透している。コンテックは、この市場変化をユーザーと共に歩みながら、CONPROSYS の商品ラインアップを拡大し、 IoTの仕組みづくりに必要な機能を提供してきた。

ノンプログラミングで監視・計測が行えるテレメータ (TM Telemeter) から、PLC(Programable Logic Controller) 言語で指令・制御プログラムが行えるソフトPLC搭載のプログラマブルオートメーションコントローラ (PAC System) まで、4タイプを取り揃えている。

CONPROSYS IoTゲートウェイ製品の用途と機能は以下の通りである。

 

 

ファームウェア更新で進化するIoT機能

CONPROSYS IoTゲートウェイは、グローバルスタンダードのフィールドネットワーク / IoT通信プロトコロルの MTConnect、OPC UA、Modbus、MQTT に対応している。

こうした機能は、コンピュータデバイスにファームウェアという形で搭載し、ユーザー自身でファームウェアを更新できる仕組みを導入している。発売開始以来、ユーザーからのご要望に基づく機能追加・改良が幾度となく繰り返し行われ、まさに「簡単」「便利」「使いやすい」が実現されている製品に仕上がっている。

CONPROSYS IoTゲートウェイは、何らかの通信障害が発生してデータ送信処理が完了しなかった場合、データ送信を自動的にリトライする。通信障害が長引いてもデータ送信処理が複数のキューとして溜まり、通信障害が解消した時点で、完了しなかったデータ送信処理から再開するという機能が入っている。通信障害によるデータ欠損を防ぐ機能が標準搭載されているというのは、システム設計者にとって大変ありがたいところである。

M2M Gatewayのブロック図は以下の通りである。

新たに BACnet 通信に対応、ルータ機能搭載でさらに便利に

CONPROSYS IoTゲートウェイは、今回新たに BACnet のサーバ機能やクライアント機能、ルータ機能を搭載して、ビル設備のIoT化にも使用できるように進化した。また、DHCPサーバやポートフォワーディングなどのルーティング機能を搭載したことで、機器構成の簡素化やセキュリティの向上に貢献している。

 

BACnet通信機能を搭載
BACnet はインテリジェントビル用ネットワーク向けの通信プロトコル規格である。空調設備、照明システム、電気設備、防犯・防災設備やエレベータなど様々な分野で、別々なメーカの製品であっても、共通インターフェイスを介してすべての機器に接続・監視できるシステムの構築が可能である。CONPROSYS M2M Gatewayは「BACnet IP」プロトコルに対応しており、サーバ通信機能とクライアント通信機能を搭載している。 

サーバ通信機能:
BACnet オブジェクトタイプを利用して IoTゲートウェイの内部情報を BACnet クライアントへ情報提供する機能である。BACnet 非対応の設備やセンサを BACnet 通信のビル管理システムに統合することができる。

クライアント通信機能:
ビル設備機器 (BACnetサーバ) の情報を収集して、MQTTなど異なる通信プロトコルに変換して上位システムへ情報提供する機能である。複数に点在するビル設備情報をクラウドで統合して遠隔監視するシステムが構築できる。また、BACnet 対応のビル設備機器をOPC UA や MTConnect などの通信に変換して工場設備システムと統合することもできる。


OPC UAサーバ、MTConnect 通信によるデータ連携

CONPROSYS IoTゲートウェイは、OPC UAサーバ機能を搭載しており、収集したデータをSCADA (Supervisory Control And Data Acquisition) やBI (Business Intelligence) ツールを使用して簡単に可視化することができる。工作機械向けの通信プロトコルの MTConnect Adapter 機能も搭載しており、MTConnect 対応のクライアントソフトウェアからもアクセスすることができる。

 

各社 SCADA / クラウドサービスへ柔軟に対応

MQTT / HTTPS / TCP などの通信機能により、自社のクラウドサービス 「FacilityView (ファシリティビュー)」 やSCADAソフトウェア CONPROSYS HMI System (CHS) はもちろん、各社のクラウドサービスとの接続性に優れている。

 

簡易ルータ
CONPROSYS IoTゲートウェイは、今回新たにルータ機能を搭載した。具体的な機能は、DHCPサーバ、スタティックルーティング、ポートフォワーディング、IPフィルタなどの基本機能で、業務用の専用機器には及ばないものの、IoTゲートウェイに使う機能としては十分と言える。これまで別途用意していたルータ機器が不要になるので、装置ボックスが小さく、機器構成がシンプルになる。何よりコストダウンになるのがうれしいところだ。


SCADA / BIツール不要!? Web HMI 機能を標準搭載

工場設備や制御装置に使用される PLC などの制御機器のデータを可視化したり、指令制御を行う場合にプログラマブル表示器がよく利用される。PLC には画面表示機能や大容量のデータを蓄積していく機能がないためだ。表示画面を遠隔地から見たり、情報量が多い場合、ユーザーは別途 SCADAソフトウェアや BI ツールの環境を用意することもあるという。

CONPROSYS IoTゲートウェイは、可視化の機能もIoTの仕組みに必要な機能として使いやすく標準化して搭載しており、この分のコストを抑えることができる。

Webブラウサから CONPROSYS IoTゲートウェイにアクセス、HMI画面の作成機能を呼び出して、あらかじめ用意されているグラフ、メータ、スライダ、ボタンなどの表示パーツを配置してデータとの紐づけを行うだけで、簡単にHMI画面が作れてしまう。Webブラウザがビューワーとなるので画面サイズに制限がないのも特長である。プログラマブル表示器では、画面サイズの関係でページ送りが必要になってしまう情報量であっても、 CONPROSYS IoTゲートウェイなら広大な画面スペースに多数の表示部品を配置して表示できる。

CONPROSYS IoTゲートウェイを PLC などの制御機器を収納している制御盤へ収納してしまえば、1つの制御盤で可視化の機能まで完結させることができる。

<CONPROSYS HMIで作成した画面例>

ビジュアルにルール設定できるローコードスクリプト機能を標準搭載

CONPROSYS IoTゲートウェイは、フローチャートを書くイメージで、ビジュアルにタスク設定が行えるローコードスクリプト機能 CONPROSYS VTC (Visual Task Control) を搭載している。


入力データの演算、データ送信、文字列操作、条件分岐、ファイル操作など、50種類の機能アイコンを組み合わせて、ビジュアルにタスク設定が行える。機能アイコンには、Eメール送信、SDカードへのデータ保存/読出、Microsoft Azure IoT Hubへのデータ送信も含まれており、機能としては十分といえる。

また、20本のタスク、10本のサブルーチンを設定しておくことができるので、かなりの規模のエッジ処理が必要でも CONPROSYS IoTゲートウェイのみで完結させられることが特色である。

コンテックのWebサイト (contec.com) では、「スクリプト 100選」として CONPROSYS VTC のサンプルプログラムを多数公開されている。通信、センサ接続、制御、監視、データ演算/変換のカテゴリに分けられており、見つけやすくなっている。

 

<機能アイコンの例>

 

まとめ

CONPROSYS IoTゲートウェイは、IoT既存の装置に遠隔監視や故障予兆検知の機能を付加するデバイスとして、また、工場システムのDX化を推進する上でデータ収集/変換の機能を提供するユーザーニーズがたっぷり詰まった便利グッズといえる。

IoTの仕組みは、電気、電機、物流、材料化学、食品など様々な業種・業界に応用が広がっているが、今回紹介した新機能によ

り、多くの業種業界で活用できるようになっている。

コンテックは、今後もユーザーからの要望をヒントに、時代が求める機能を標準化して実装していくことで、いつの時代も   「簡単・便利・使いやすい」IoTソリューションを CONPROSYSのブランドで提供し続ける。

さらに、コンピュータ、計測制御デバイス、無線通信、ネットワーク機器などの産業用途に特化した総合電子機器メーカとして、IoT、AI(Artificial Intelligence)、DX、GX(Green transformation) といったお客様の変革課題を支援することを目指していく。

株式会社コンテック
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