ウェアラブル機器市場は今後5年、年平均18.3%の伸びを予測 |
IoT市場は順調な伸びを示している。IDCの発表(2017/1/4)によれば、2016年の世界のIoT支出額は7370億ドルと推定され、前年比17.9%増。今後は2020年まで年平均成長率(CAGR)15.6%で増え、2020年に市場規模は1兆2900億ドルになると予測している。また、その中のウエアラブル機器は、今後5年間18.3%の伸びで推移するという。(詳細は末尾参照) |
ウェアラブル機器、IoT機器は小型化とともに高機能・高性能を要求 |
普及が始まり、手首にウォッチ型ウェアラブル機器を付けている人を見ることも多くなったと思うが、まだまだこれらの機器は進化の真っ最中である。ウェアラブル機器やIoT機器には、小型、軽量、高機能、高性能が必須の要求事項である。高性能の中には、「バッテリ動作時間が長いこと」が重要性能として含まれている。小型携帯機器用のバッテリに関していえば、現状の電力密度は限界に近いといわれており、動作時間増加とバッテリサイズ削減=バッテリ容量低下はトレードオフになっている。 |
比類なき低消費電力、高効率、省スペースの電源ソリューション:MAX17222 |
MAX17222の特長 | 機能、利点 |
自己消費電流(IQ):300nA | ✓バッテリ動作時間をより長くし、効率を高める |
True Shutdownモード ・シャットダウン電流:0.5nA ・出力を入力から切断 ・VOUT=0V~5Vで逆電流なし |
✓シャットダウン時の自己電力消費がほぼゼロ ✓オフ時に入力から出力への電流を遮断 ✓出力からの逆電流も遮断 |
ピーク効率:95% | ✓高効率で発熱も最小限 |
入力範囲:400mV~5.5V(最小起動電圧:0.88V) | ✓太陽電池にも対応 |
出力電圧範囲:1.8V~5V | ✓100mVステップ、1つの1%抵抗で選択 |
インダクタピーク電流制限:500mA | ✓効率的、インダクタ定格は最小限 |
イネーブル過渡保護(ETP) | ✓ENピンに対する過渡電圧による不要なシャットダウンを防止 |
小型パッケージ ・6ピンµDFN(2mm×2mm) ・6バンプWLP(2×3、0.88mm×1.4mm、0.4mmピッチ) |
✓実装面積削減 |
出力電流と機能によるファミリ展開 |
説明に挙げたMAX17222は、nanoPowerブーストレギュレータファミリの一機種で、出力電流を決めるファクタの1つであるインダクタピーク電流制限と、True Shutdownおよびイネーブル過渡保護の有無から最適なものを選択できる。パッケージはすべてに2種類が用意されている。 |
製品名 | パッケージ | インダクタ ピーク電流制限 |
True Shutdown | イネーブル 過渡保護(ETP) |
MAX17220 | WLPまたはµDFN | 225mA | あり | あり |
MAX17221 | 500mA | なし | なし | |
MAX17222 | 500mA | あり | あり | |
MAX17223 | 500mA | あり | なし | |
MAX17224 | 1A | あり | あり | |
MAX17225 | 1A | あり | なし |
小型軽量で長時間動作を必要とする代表的なアプリケーションであるウェアラブル機器を例にとると、機器のハードウェアにおいてこれらの要求事項に対応するには、回路の電力消費を下げ、効率を高め、部品と実装面積の削減が必要になる。しかしながら、すでにこれらの要求はICをはじめとする電子部品には必須の要求事項となっており、それをどのレベルにまで高められるかは、メーカーの技術力に依存する。 アナログICをはじめとする広範な製品群を持ち、それぞれに最高性能を求めるMaximが提供するnanoPower製品は、究極の低消費電力を実現し、サイズも含めてウェアラブル機器などIoT市場を強く意識したものである。 |
今回取り上げたnanoPower DC-DCレギュレータのMAX17222は、業界最高効率と業界最小自己消費電流を達成したブーストレギュレータであり、高機能・高性能化が求められているウェアラブル機器やIoT機器の、バッテリ動作時間の向上と小型化を促進するキープロダクトの1つである。 また、IoT市場の特徴の1つである迅速なTime-to-Marketに対応するために、データシートなどの情報に加えて、すぐに評価が開始できる評価キットが用意されるなど、サポート体制の充実も図られている。 |
製品 | 2016出荷台数 | 2016市場シェア | 2021出荷台数予測 | 2021市場シェア予測 | 2016~2021CAGR予測 |
ウォッチ型 | 4,920万台 | 48.1% | 15,200万台 | 64.0% | 25.3% |
リストバンド型 | 4,870万台 | 47.6% | 5,750万台 | 24.2% | 3.4% |
衣服型 | 130万台 | 1.2% | 2,230万台 | 9.4% | 76.6% |
イヤウェア | 70万台 | 0.7% | 420万台 | 1.8% | 43.1% |
その他 | 240万台 | 2.4% | 150万台 | 0.6% | -9.0% |
合計 | 10,240万台 | 100.0% | 23,750万台 | 100.0% | 18.3% |