日本電産コパル電子株式会社

市場のニーズに応える圧力トランスジューサを積極的に開発

日本電産コパル電子は、エレクトロニクス部品メーカーとして50年の歴史をもち、スイッチ、トリマ、圧力センサ、小型モータ、ポリゴンレーザスキャナ、システム機器など、主に産業機器市場向けの電子部品やモジュールの開発、製造、販売を行っている。

     

日本電産コパル電子の圧力センサ関連製品の一例
上左から、圧力トランスジューサ、アンプ付き圧力トランスジューサ、圧力スイッチ、圧力ゲージ、ハンディマノメータ
近年のセンサ市場には、M2MやIoTにも関連し、多種多様なニーズが生まれている。日本電産コパル電子の圧力センサは、モジュールタイプとアンプ内蔵タイプに加え、スイッチ機能や表示器を備えたタイプなど多様なラインアップが揃っており、半導体製造装置や産業機械、医療分析機器といった、高精度と高信頼性が要求される市場で高いシェアをもっている。
また、顧客固有の仕様要求にも柔軟に対応し、幅広い領域をカバーしていることも高く評価されており、顧客ニーズをとらえた新製品を積極的に開発し事業領域を拡大している。今回は、その中から4つの新製品について、概要と特長を解説する。

高性能、柔軟性、高品質を実現するための自社一貫生産へのこだわり

日本電産コパル電子の圧力センサは、様々な市場で使用されているが、特に半導体製造装置や産業機械、医療分析機器をはじめとした、高性能と高信頼性を要求される市場で高いシェアを獲得している。その理由の一つとして、製品性能はもちろんだが、日本電産コパル電子が半導体センサ素子の開発から完成品に至るまで自社一貫生産体制を取り、顧客のニーズに応えられる製品を提供していることが挙げられる。
また、柔軟かつ細やかな対応のできる事業体制についても高い評価を得ている。産業分野の中でも特に上述の市場ではカスタム要求が少なくなく、それに対応する体制と幅広い開発力をもつことが理由である。
圧力センサ製品は、圧力トランスジューサ、アンプ付き圧力トランスジューサ、圧力スイッチ、圧力表示器、圧力指示計などを揃えており、真空圧、ゲージ圧、差圧などのあらゆる圧力範囲が測定でき、使用媒体も気体、液体、腐食性ガスなどに対応している。また、近年では、様々な分野のニーズに基づき開発された新製品を積極的にリリースしている。例えば、超小型アンプ付きタイプや、より高い圧力領域に対応するセンサなどである。

新市場、新規顧客も視野に入れた新製品シリーズ

以下に、4つの新製品について概要と特長を示す。
薄膜形半導体圧力トランスジューサ:PA-97xF/N/Cシリーズ
小型、高い耐環境特性、幅広い用途に対応
PA-97xN/C/Fシリーズは、小型、広い動作温度範囲、高い耐振動/衝撃、IP67防水対応を基本に、厳しい環境条件を含む幅広い用途、例えば車載、建設機械、特装車両、船舶、ディーゼルエンジン等に対応するように構成されたシリーズ。
PA-97xNシリーズ:定格圧力レンジの最大が60MPaで、電圧出力と電流出力が用意され、シリーズ内では汎用の位置付けである。
PA-979Cシリーズ:出力がCANopenプロトコルで、NCなどで利用が進む産業用CANに対応する。また、温度範囲は-50~135℃(コネクタ、ケーブルを除く)と、他の-40~125℃よりさらに拡張されている。定格圧力レンジは0.1~60MPaと広範囲をカバーすることから、工作機械、ロボットほか、特殊環境も含め幅広い用途に対応する。
PA-97xFシリーズ:受圧部がフラットという特長をもち、粘度の高い液体を扱っても液溜まりがないため、食品用のディスペンサーなどでの使用が見込まれる。出力は電圧出力1~5Vと電流出力4~20mAが用意されている。

型式 PA-970N
PA-972N
PA-978N PA-979C PA-970F PA-978F
定格圧力
レンジ
0.0~
10/25/40/60MPa
0.0~
0.1/1/2.5/4/10/25/40/60MPa
0.0~
0.1/1/2.5/4/10MPa
指示方式 ゲージ圧(正圧)
継手 G1/4 G1/2
適用媒体 SUS304、630を腐食させない気体、液体
出力 0~5V、1~5V 4~20mA CANopenプロトコル
DS301/DS404
1~5V 4~20mA
駆動電圧  9~32V 8~32V  10~30V 9~30V 
動作温度  -40~125℃ -50~135℃
(コネクタ、ケーブルを除く)
 -40~125℃
保護構造 IP67
備考 汎用 CAN出力 受圧部がフラット

PA-97xN/C/Fシリーズ:小型、高い耐環境特性、幅広い用途に対応

薄膜形半導体圧力トランスジューサPA-920S/928Sシリーズ  ※2017年4月発売予定
半導体製造装置に最適なクリーン対応の半導体ガス用小型圧力センサ
PA-920S/928Sシリーズは、半導体製造装置向けに開発されたクリーン対応製品である。既存品と比較して、非常に小型である点と継手のバリエーションが多彩なことが特長である。
用途
 ・エッチング装置
 ・CVD装置
 ・その他半導体製造装置

PA-920S/928Sシリーズ:
上段左からT型VC、Wシールタイプ、下段ストレート型VC継手
適用媒体:SUS316Lダブルメルト材を腐食させない気体、液体
指示方式:ゲージ圧(正圧、連成圧)
定格圧力レンジ:0~0.5MPa、-0.1~0.5MPa、0~1MPa、-0.1~1MPa
駆動電圧(リップル含む):12~24VDC±10%(PA-920S)/24VDC±10%(PA-928S)
アナログ出力:1~5V(PA-920S)/4~20mA(PA-928S)
継手:T型VC、ストレート型VC オス/メス、ストレート型UJR、Wシールタイプ(1.125”)、
    Cシールタイプ(1.125”)
保護構造:IP40
気密性:圧力ポート溶接部(Heリーク量) 5×10-12Pa・m3/sec以下
接ガス部材質(継手/センサ):SUS316Lダブルメルト材
真空使用圧力:Pv1.4×10-4Pa abs以上

圧力センサモジュール:P-7100シリーズ
超小型、軽量、高精度、高信頼性を実現し、コストパフォーマンスに優れた圧力センサ
P-7100シリーズは、一般産業機器や半導体製造装置、医療機器などの気体および液体の圧力計測用に開発された。デジタル温度補償回路をCOB(chip on board)実装したことで、高精度を維持しながら既存の同等品に比べ約半分のサイズを実現した。非常に小型で軽量であることから、飲料用サーバー、ディスペンサー、汎用ポンプ、燃料電池、真空機器、真空包装機、水処理装置など、装置や機器の組み込み用途に適する。出力はアナログ0.5~4.5VDCでレシオメトリックである。
特長
 ・超小型、軽量にて機器組み込み用に最適
 ・寸法φ17×18.7mm(M5タイプ)、質量:約19g(M5タイプ)
 ・二重ダイアフラム構造(SUS316Lダイアフラム、オイル封入型)による高信頼性
 ・駆動電圧は5±0.5V、アナログ出力は0.5-4.5V(レシオメトリック出力)
 ・COB実装のデジタル補償回路により高精度を実現

P-7100シリーズ:
超小型、軽量ながら高精度、
高信頼性を実現
適用媒体:SUS316L、SUS304を腐食させない気体、液体
指示方式:ゲージ圧(連成圧、正圧)/絶対圧
定格圧力レンジ:0~100kPa、-100~100kPa、0~1MPa、0~133.3kPa abs.
駆動電圧:5±0.5VDC
アナログ出力:0.5~4.5VDC(レシオメトリック)
継手:R1/8、M5メネジ
ケーブル:リード線3本(電源/コモン/出力)
備考:真空にも対応(絶対圧タイプあり)

アンプ内蔵圧力センサ:PA-840/PA-848シリーズ
端子箱を用いた堅牢構造、IP67対応
PA-840/848シリーズは、一般産業機器を中心に水処理やプラント向けの屋外装置などの気体および液体圧力計測用として開発された。端子箱を用いた堅牢な防水構造が特長でIP67に対応している。最大受圧部温度は80℃が一般的だが、PA-840/PA-848シリーズは100 ℃に拡張されている。端子箱式屋外設置用圧力センサとしては業界最小クラスを実現しており、水処理装置、プラント設備、水位計などの屋外に使用される装置用途に適する。PA-840は1~5VDCの電圧出力、PA-848は4~20mAの電流出力。


PA-840/848シリーズ:
端子箱を用いた堅牢構造、IP67対応
特長
 ・屋外設置向けに端子箱を用いた堅牢なIP67防水構造
 ・受圧部温度100℃まで対応
 ・2重ダイアフラム構造(SUS316Lダイアフラム、オイル封入型)による高耐食性
 ・端子箱式屋外設置用圧力センサとしては業界最小クラス
適用媒体:SUS316L、Oリング(フッ素ゴム/ G2継手)を腐食させない気体、液体
指示方式:ゲージ圧/絶対圧
定格圧力レンジ:-0.1~0.1MPa、-0.1~0.35MPa、0~1.0MPa、0~3.5MPa、0~0.1MPa abs.
駆動電圧(リップル含む)12~24VDC±10%(PA-840)/24VDC±10%(PA-848)
アナログ出力:1~5V(PA-840)、4~20mA(PA-848)
継手:R1/4、G1/4
受圧部温度:-20~100℃

まとめ

日本電産コパル電子の圧力センサについて、新製品4シリーズの概要と特長を示した。それぞれに用途が想定され、仕様や性能がそれに適したものになっているが、同時に汎用性ももち合わせており、アイデア次第で様々なアプリケーションに展開可能である。
全体としては、小型化とコストパフォーマンスの向上を推進しながら、性能面と信頼性には一切の妥協はない。これは、冒頭で説明したように、日本電産コパル電子の圧力センサが、高性能と高信頼性が強く要求される市場で高いシェアをもつ理由である。半導体センサ素子の開発から完成品に至るまでの自社一貫生産は、その裏付けの一つともいえる。実際に、他社同等品の半分のサイズを実現したP-7100シリーズは、センサ素子の段階から最小サイズを目標に開発が行われた結果であり、外販品の組み合わせではこのようなブレークスルーは困難である。
本稿では、新製品4シリーズの仕様面を主に示したが、直線性/ヒステリシスや温度特性などの性能面の詳細は、下記「関連情報」のリンクおよび問い合わせ窓口を利用して確認いただきたい。
日本電産コパル電子は産業用センサ市場を注力市場の一つに挙げており、ラインアップの拡充を促進している。様々な開発テーマをもっており、年間に複数の新シリーズをリリースしていくという。また、標準品では対応ができない課題に対して、柔軟な提案が可能な体制を整えている点は、特に産業機器分野の設計者にとっては見逃せないポイントである。

関連情報

  小型液圧トランスジューサ:PA-97xN/C/Fシリーズ製品情報 ※お問い合わせ願います。
  薄膜形半導体ガス用小型圧力センサ:PA-920S/928Sシリーズ製品情報 ※お問い合わせ願います。
  超小型圧力センサ:P-7100シリーズ製品情報
  端子箱屋外設置用圧力センサ:PA-840/848シリーズ製品情報
  圧力センサ一覧
  圧力センサ動作説明、アプリケーション、使用上の注意に関する資料(PDF)
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